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胃食道逆流症 (GERD)

   胃食道逆流症について

 胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease; GERD)は,「胃の内容物が食道へ逆流することにより不快な症状や合併症が引き起こされる疾患」と定義されており,「軽度の症状が週に2日以上,または中等度から重症の症状が週に1日以上ある場合」といった条件が定められています.

 【胃食道逆流症を疑う愁訴・症状】

 胸やけ(胸骨の後ろに感じる灼熱感)と逆流感(呑酸)が定型的な症状とされています. 

 その他にも,胃痛,胃のもたれ,腹部膨満感などの上腹部の症状や,(非心臓性)胸痛,慢性の咳,咽喉頭の違和感,喘息など,非定型的な症状がみられることがあります.

 【診断】

 診断を確定させるために内視鏡検査を行う必要は無いとされています.ただし,嚥下障害や嚥下痛,持続する嘔吐,吐血・貧血,体重減少などの症状を伴っている場合は,悪性疾患などを鑑別するため,検査を行うことを検討しなければなりません.

 治療的診断法として,胃酸を強く抑える『プロトンポンプ阻害薬(PPI)』を服用します.4週間ほどで症状が改善した場合はGERDと診断しても良いとされています.逆に 改善しなかいからといってGERDではない とは言えません.その際,PPIを増量したり,別の種類のPPIを試すことになりますが,その前には内視鏡検査を行う必要があります.なぜならば,逆流性食道炎(食道粘膜障害)の程度によって,PPIの投与方法が異なるからです.因みに,逆流性食道炎は内視鏡検査を行うことによって決定される診断名(疾患名)であり,内視鏡検査無しに診断はつけられません.(GERDと逆流性食道炎を混同している方が多いようです.)

 【治療】

 症状や食道炎の程度が軽い場合は,すぐに薬物治療を開始せず,生活習慣の見直しを図ります.その際,以下のことに注意します.

・ 体重を減らす

・ 就寝前の食事を控える

・ 就寝時に頭側を拳上する(枕だけを高くすることは逆効果になることあり)

・ タバコ アルコール チョコレート 高脂肪食 を控える 

 薬物治療としては,上述したとおりPPIを使用します.PPIは比較的安全な薬とされておりましたが,副作用(消化管感染症,慢性腎臓病,肺炎,腎炎,骨粗鬆症・大腿骨骨折,顕微鏡的腸炎 など)が報告されるようになりました.現在では、長期投与を控え 投与量を必要最小限にすることが望まれております.PPI投与の具体例を示します.

① 軽症群(非びらん性のGERD (NERD), ロサンゼルス分類で Grade A~Bの びらん性GERD)では,PPIを8週間投与,その後,オンデマンド療法に移行する(オンデマンド療法とは,症状が出現したときに患者の判断でPPIの服用を再開し,症状が消失するまで内服を継続する方法).

② 重症群(Grade C 以上の重症の粘膜障害を有するGERD)では,PPIによる維持療法を行う.

 【予後 経過・管理】

 GERDは予後良好な疾患でありますが,重症例や バレット食道(円柱上皮が胃側から上方に伸展してくる疾患)を合併した場合は,出血,食道狭窄,食道腺癌発生の可能性があり,薬物治療とともに内視鏡検査による経過観察が必要となります.

 

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