メニュー

めまい(良性発作性頭位めまい症)

 めまいについて

 『めまいがする』という感覚は、さまざまな異なる病態によって引きおこされ,症状も多岐にわたります.患者さんがお話しになる『めまい』が,何を本当に意味するのかを見極めることが重要です.そのために必要となるのが「問診」です.

 【問診;お聞きすること】

  • めまいの持続時間 (数秒~数分,数十分~数時間,1日以上)
  • 症状が反復しておこっているかどうか
  • 蝸牛症状(難聴,耳鳴など)を伴っているか
  • どのように感じているか 自分の周りの環境が,ぐるぐる回ったり動いたりしているか 目の前を暗く感じたり,血の気が引く,気が遠のく感じがあるか
  • 発症状況  立ち上がる時か,臥位で生じるか,排便・排尿・咳をした際に生じたか など

 

  問診(および それに続く検査)によって以下のような原因疾患を想起した場合,該当する科を御紹介いたします.

  メニエール病 → 耳鼻咽喉科

  脳幹梗塞・小脳梗塞・出血,脳血管障害 → 神経内科・脳神経外科

  心血管系の疾患 → 循環器科

  重度の貧血 → 消化器科・婦人科

  精神科疾患(それ以外考えられない場合) → 精神科・診療内科

 

 幸いにも末梢性のめまい(耳鼻科的疾患)が圧倒的に多く,症状を和らげるような薬(抗ヒスタミン薬など)を投与すると自然に軽快することがほとんどです.

 その中でも,『良性発作性頭位めまい症(BPPV)』は頻度が高く,めまい症例全体の約50%を占めると言われております.総合診療にたずさわる開業医としては,この疾患は『めまい』の中でも直接的に関与できるものであるため、御紹介する次第です.

 【良性発作性頭位めまい症 (BPPV)】

 特定の頭位で誘発されるめまいを主徴とし,これに随伴する眼振を特徴とします.

(⇒ 眼振(目のふるえ)が生じるために,周囲がグルグル動いて感じます.)

① 起床,就寝時寝返り,上の物を取ろうとして上向きになることなどによって誘発されることが多いようです.

② めまいが発現するまでに若干の潜時があり,次第に増強した後に減弱・消失します.

  めまいの持続時間は せいぜい数十秒程度です.

③ ひき続き同じ頭位を繰り返すと,めまいは軽減もしくは消失します.

④ 難聴などの蝸牛症状は伴いません。

 内耳 耳石器から剥がれ落ちた耳石が三半規管に移動し,頭部運動に伴ってリンパ流が生じ,内耳の位置感覚が損なわれることにより めまいが起きると言われています.

 加齢とともに罹患率は増加します(中高年者に多くみられます).

 「寝返りしただけで 数秒のめまいが生じる」といった症状は,BPPVである確率を高めます.

 BPPVの治療は、耳石が原因であることから,耳石移動を目的とした頭位療法(浮遊耳石置換法)が基本となります.

 耳石は 三半規管のうちの後半規管に移動していることが多いようです.そのため,バラニー試験(Barany test, Dix – hallpike test)という頭位変換試験でめまい・眼振を誘発させ,陽性であれば,ひきつづきEpley法という頭位治療を行うことが提唱されています.これは当院でも実施している治療法です.

 バラニー試験の陽性率は50%未満とも言われており決して高くはありませんが,Epley法を行ったものでは,最初で70%以上,2回目で90%以上の効果があるとされており,実施(トライ)すべき治療法であると考えられます.

 基本的には,眼振所見を正確にとらえ,耳石が存在する責任半規管を同定し,それに適した頭位変換方法を選択する必要があります.その為には,眼振を誘発し捉えやすくするフレンツェル眼鏡が必要ですが、(耳鼻科以外の)一般のクリニックで その眼鏡を保有している可能性は極めて低いと思われます(当クリニックにもございません).当クリニックでは,Epley法で効果が無い場合や、再発する場合は,耳鼻科専門医を受診するようお勧めしております.

 

 BPPVの薬物療法について

 対症療法として,不安をやわらげる抗ヒスタミン薬や制吐剤(吐き気止め)を処方します.

 抗めまい薬については,患者が効果について誤った判断をする可能性があり,また,その後の診療に影響を及ぼすことも考えられます.そのため,当クリニックに限っていえば、処方が必要か迷うような場合は,耳鼻科を受診するようお勧めしています.

 BPPVは比較的予後の良い疾患とされておりますが.再発率は 16~50%と高いことが報告されております.

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME