食事療法(生活習慣の改善)
『食事療法』
糖尿病治療ガイド・高血圧診療ガイド・動脈硬化性疾患予防ガイドライン などに記載されている内容をまとめてみました.
1. 腹八分目にする. エネルギー摂取量は,『体重管理』の欄を参照
2. 三大栄養素(タンパク質・脂質・炭水化物)および ビタミン,ミネラルをバランス良く摂取する.
予定摂取エネルギー量の40~60%を炭水化物から摂取し,さらに食物繊維が豊富な食物を選択する.タンパク質は20%までとして 残りを脂質とするが,25%を超える場合は飽和脂肪酸を減らすよう配慮する.
3. 動物性脂質(飽和脂肪酸)コレステロールの摂取は控え目に.
4. 多価不飽和脂肪酸※(n-3系)・低脂肪乳製品の摂取は積極的に行う.
※ 植物や魚(まぐろ・いわし・さば などの青魚)の脂に多く含まれる 必須脂肪酸
5. 食物繊維を多く含む食品(野菜・海藻・きのこ など)を摂る.
食後の血糖値上昇を抑制し,コレステロール値の増加を防ぎ,便通を改善する作用あり.
6. 朝食・昼食・夕食を規則正しく
各食事は 4~5時間以上あける. 朝食の欠食や深夜の食事を避ける.
7. ゆっくりよく噛んで食べる.
8. 単純糖質※ を多く含む食品の間食を避ける.
※ 炭水化物の一種で,単糖類(ブドウ糖・果糖・ガラクトース など)や二糖類(ショ糖・麦芽糖・乳糖 など)を指す.
ブドウ糖・果糖・ショ糖は,主に甘味料・菓子類・ソフトドリンク・果実・野菜などに含まれる.
9. 野菜・果物はカリウムを多く含むため 降圧効果が期待できる.積極的摂取が望まれる.
(カリウム制限が必要な慢性腎臓病の方は注意が必要.)
肥満・糖尿病患者は,果物摂取を 80kcal/日 (バナナ中 1本 りんご中 1/2個 程度)にとどめる.
エネルギー制限食で,炭水化物摂取比率を 50~60%に設定する場合,『糖尿病食事療法のための食品交換表』および 同 食品交換表 活用編(日本糖尿病協会 編 文光堂)を参考にしてみると良いでしょう.
野菜・果物・低脂肪乳製品が豊富で,飽和脂肪酸・コレステロールが少ない食事(DASH食)や,オリーブオイル・多価不飽和脂肪酸が豊富な 地中海食も 降圧効果が期待できます.